院長ブログ
blog

終末期獣医療

2021.2.12

 今回はグっと仕事寄りの話を。過去のブログでも触れた通り、私は終末期獣医療を探求してきた自身の経験から、治癒を目指さない病気について考える時間が多い獣医師人生を歩んできました。ちなみに「終末期獣医療」という言葉は約12年前に私が作った造語で、「病気による死を迎える時間を扱う獣医療」という意味で使ったことが始まりです。終末期を扱う獣医師には、対象となる犬猫さんが本当に治癒困難な状況かどうかを見極める総合的且つ合理的な診断能力が求められます。加えて、その判断について相手が理解しやすい言葉を選んで説明する表現能力も重要な資質だと考えます。
 その疾患は治癒しない、ということを生前に証明することは誰にもできません。しかし我々は獣医学の知見に自身の経験を融合させて導き出した「その疾患の治癒は極めて困難であろう」という予測意見を飼い主様へお伝えする立場にあり、その重い責任を自覚して一つ一つの言葉を選ばなければなりません。終末期獣医療には人の感情が深く関わるために、飼い主様と獣医師間で認識の齟齬をきたしやすい場面が多く、獣医師側の説明不足と飼い主様側の認識違いが蓄積した結果として両者のコミュニケーションが持続しなくなるケースは少なくありません。そのため、終末期獣医療では病状の経過に沿って獣医師と飼い主様がお互いの認識を擦り合わせる相談やディスカッションが大切であり、それらは終末期をより受容しやすいプロセスにしていくために欠かせない共同作業であると考えます。

 明確なゴールが見えない中でどう最期を迎えていくか?は、ご家族にとってとても辛い選択ですが、過ごした最期の時間を良い記憶として留めていただく、そんな終末期獣医療を目標にして当院はその手法を探求していきます。
 また、終末期獣医療をより良い形に作り上げるためには、獣医師のみの努力には限界があります。当院では動物看護師や事務員も含めて目標を共有し、常に前向きに問題の改善策を協議していけるチーム医療体制の構築を目指しています。

このブログは当院長が気の向くままに書き連ねる情報発信の場です。様々な立場の方々に広く興味をもっていただける内容を目指して、日々心のアンテナを張っていきます。

2021.04.20
4/30眼科特診 延期のお知らせ
2021.04.09
犬猫の安楽死処置について
2021.04.08
色々お知らせ
2021.04.02
3年目、開業考
2021.02.25
3月の眼科特診のお知らせ
2021.02.22
手術用ルーペの導入
2021.02.12
終末期獣医療
2021.02.02
薬袋の新調とリサイクルのお願い
2021.01.26
保護主参加型入院管理
2021.01.14
2/15眼科特診のお知らせ
2020.12.28
院長が復帰します
2020.12.17
12/24~12/29の診療時間を短縮します
2020.11.19
年末年始の診療予定
2020.11.17
出張講義を行いました
2020.10.22
眼科専門外来を行いました
2020.10.05
『出張講義in保護猫のおうちさがし会』と検診のおしらせ
2020.08.28
学術活動
2020.08.25
セカンドオピニオン外来
2020.07.17
大局観(たいきょくかん)
2020.07.06
新しいスタッフの紹介 & 8/23は臨時休診です
2020.05.19
当院ではスタッフを募集しています
2020.04.20
ご迷惑おかけいたします
2020.04.14
GWの診療予定と新型コロナウイルス対策
2020.04.01
最近話題の猫伝染性腹膜炎の治療薬に関して
2020.03.19
神田周辺に生息するマダニのフィールド調査:感染リスクの局地的評価への試み
2020.02.06
神田アニマルクリニック通信
2020.01.06
病院犬が逝きました
2019.12.10
年末年始の診療予定 & スタッフ紹介
2019.10.31
ペットに関するセミナー
2019.10.09
獣医師講習会覚書
2019.09.19
学会参加
2019.08.16
動物の死と獣医療
2019.08.01
リサーチマインド
2019.07.16
健康診断について その2
2019.06.27
健康診断について その1
2019.06.10
薬袋
2019.05.28
当院のロゴについて
2019.05.24
初回挨拶