院長ブログ
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神田周辺に生息するマダニのフィールド調査:感染リスクの局地的評価への試み

2020.3.19


 おかげさまで当院は4月から開業2年目のシーズンを迎えます。この一年間は新しいチャレンジの連続で、多くの経験と修練を積ませていただいたと感じております。次年度へ向けて気持ちを新たに、スタッフ一同精進して参ります。
 神田アニマルクリニックでは現在、寄生虫感染の予防啓蒙活動を行っております。高温多湿の高知県は虫の活動が活発ですので、虫たちと上手に共存していかなければなりません。「彼を知り己を知れば百戦殆(あやう)からず」の心得に従い、当院では病院周辺地域におけるマダニの生息域調査を開始することにいたしました。フランネル生地の白旗を草むらなどの植生に接触させながら振ると、葉で待機中のマダニ類を効率的に捕捉することができます。

 この方法はFlagging法と呼ばれる由緒ある研究手法で、旗に付着したマダニを一つ一つ採集し計数します。この方法を用いることで当院周辺の野外環境のどの場所のどの時期に、どの程度のマダニ感染リスクが存在するかを推察でき、犬猫への予防方針の決定に役立てることができると考えています。また、マダニは様々な感染症を媒介することでも知られており、その中には人に感染性を示す病原体も含まれます。したがって、人獣共通感染症の予防という公衆衛生的な観点からも、本研究によって価値あるデータが得られると期待しています。得られた情報は一定量をまとめて院内通信等で公表してまいります。
 近所で白旗を振りながら歩く不審人物がいたら私だと思いますので、くれぐれも通報はしないでください。念のため写真のような作業着で動いています。