神田ACの動物医療
手術用ルーペの導入

当院で行われる手術では、執刀者は写真のような手術用ルーペ(拡大鏡)を積極的に使用するようにしています。
ルーペをつけての手術は主にマイクロサージェリーと呼ばれる繊細な手術に使われるイメージですが、私はそれ以外に以下の理由で使用しています。
- 組織を丁寧に扱い、術後炎症を最小限にするため
- 獣医師の持病とも言える頚部痛・腰痛を予防し、できるだけ長く現役を続けるため
- 近視や遠視に影響されず手術を行うため
手術用ルーペは大学教員時代にお世話になった外科医の先生から教えていただいたもので、組織へのダメージを抑えた綺麗な手術をするために役立つことを知りました。動物の手術はとても細かく術野が狭いため首を曲げて術野に近づけることが多く、頚部痛や腰痛は獣医師の職業病とも言えます。このルーペは真直ぐ前を向いた状態で斜め下の術野を見ているため、首と腰に優しい負担が軽い手術が可能です。さらに老眼の影響も回避できます。ルーペのデメリットは慣れるまで扱いが難しく、術者がゆっくり動くようになるので裸眼よりも手術時間が若干長くなり、焦点の問題で広範囲を扱う手術には不向きです。
現役である限り修練を重ね、洗練された美しい手術を目指し続けたいと思います。