11月24日は臨時休診 & 小話
11月24日(金)は臨時休診となり、11月は22~24日が連休です。ご不便をおかけしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
小話を一つ。この話の意図は誰かを非難するものではなく、実態をお伝えすることで我々の現状を知っていただくことにあります。
先日、深夜3時頃に我が家のチャイムが鳴り、寝ていた私は驚いて玄関のドアを開けたところ、そこには焦った様子の男性が立っておりました。用件は犬が異物を飲み込んだ、という緊急の診察依頼でした。その後どうなったかは今回の話では重要ではありませんので割愛しますが、このような診療時間外の診察依頼は、臨床獣医師の多くに経験があることだと思います。
海外の報告(Pohl et al. 2022)によると、獣医師は医療従事者並みに精神的ストレスが強い職業であり、メンタルヘルスに影響する様々な危険因子(長時間労働、倫理的ジレンマなど)と隣り合わせだとされています。また、獣医師には燃え尽き(バーンアウト)や鬱病のリスクが総じて高く、精神を病みやすい職業の一つと考えられるようです。個人的にはそんなに大変なことをやっている印象はないのですが、診療は緊張を長く強いられるため、疲労が蓄積しやすい仕事であるとは思います。
中でも獣医師の長時間労働は、翌日の診療に強い影響を及ぼします。診療は「考えて判断すること」に多くの労力を投入しますので、睡眠不足による肉体的疲労が判断力を鈍らせることを獣医師は経験的によく知っています。職業上、判断力の低下には大きなリスクを伴うことから、我々は決して精神的に疲れはいけないと考えています。
このような事情から、上記のような深夜の緊急対応にはその翌日以降に発生する様々なリスクを鑑みなければなりませんので、現実的に難しいわけです。獣医師は飼い主様にとってかけがえのない動物の健康を守る、という使命を負って国から免許を受けている身ではあるのですが、我々にも家族がいて生活があり、人並みに疲労もします。翌日に子供の弁当作りなどで早起きだったりもします。やはり、我々も倒れるわけにはいかないのです。
無論、事情は双方にあるものですから、深夜にチャイムを鳴らした飼い主様が切羽詰まった状況であったことは想像に難くなく、個人を責めるつもりは毛頭ありません。救急病院のない高知県の動物医療の限界でもあります。ただただ、全ての動物に穏やかな夜が訪れることを祈るばかりです。