院長ブログ blog

院長の独り言

過剰診療

 過剰診療とは必要性や合理性のない診療を指していう医学用語であり、ネット上では裁判や保険請求などを中心とした決して明るくないお金の方向に話が多く展開されます。人の医療には国民皆保険制度があるため、医療者側に医療費を抑制する、あるいは患者側に受診を控えるという動機そのものが働きにくいという背景もあって過剰診療が一部で常態化し、様々な懸案が生じているそうです。数年前に小児医療において外来患者への抗菌薬の適正使用(子供さんへ抗菌薬を安易に処方しない医師の対応)に保険点数の加算が定められたことは驚きでした。

 どこからどこまでが適切な診療か?という線引きが容易ではないことは獣医療も同じですが、過剰診療をしないという獣医療側の強い意志は飼い主様の信頼を確保する上で非常に重要だと私は考えています。飼い主様からの要望であっても、必要ないと判断される検査や治療についてはその意図をよく説明するに留めています。それで十分な獣医療サービスが受けられなかったと感じる飼い主様もいらっしゃるかもしれませんが、決して診療を制限しているわけではありません。

 一方で経営者としては病院の運営上、売上や利益についても当然考えていかなければならず、過剰診療をしない努力は診療単価を上げる努力とは相反する性質を有します。実際にはそのジレンマを多少なりとも感じる時はありますが、誠意ある動物医療がいつもしっかり滞りなく提案され実施される、という漠然とした安心感がお互いの信頼関係を基盤とする動物病院には不可欠であると私は信じています。そのため、当院では飼い主様の信頼を得続けるために今後も様々な試みを通じて過剰診療排除に向けて尽力してまいります。

追申

 世界情勢が不安定な中、近い将来には動物医療においても物資の不足や価格高騰などが生じてくる可能性が高いと予想されます。皆様の御理解・御協力を仰ぎつつ、柔軟に時流に対応していきたいと考えております。