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夜間診療でのカスタマーハラスメントについて

 カスタマーハラスメント(以下:カスハラ)とは社会通念上不相応な顧客の言動によって労働者の就業環境が害されるものを指す言葉です。以前は悪質なクレームとして一括りにされてきましたが、昨今の社会情勢を反映して特に問題視されるようになりました。事業者側に一定の落ち度がある場合であっても、カスハラ行為そのものは決して許されるものではありません。

 今年に入って高知県獣医師会が行っている夜間診療(県内の有志獣医師会員が持ち回りで行う夜間の急患対応)で悪質なカスハラ事案が報告され、被害を受けた動物病院ではスタッフの心労により夜間診療の担当から脱退するという事態に発展しました。無論、夜間診療を受診される方にも相応の事情があることは言うに及ばず、夜間の急患は県内担当病院の他に駆け込む場所がないことも事実です。ですが、飼い主様に事情があるのと同様に動物病院にもそれぞれの事情があることについて、利用される皆様の寛容なご理解を求めます。高知の夜間診療を存続させていくために、受診される方の節度ある行動をお願いする次第です。決して言い訳ではなく、人の医療とは異なり動物医療には公的資金(税金)の投入がありませんので、人の救急医療体制と同等に扱うことは元から難しいのです。

 また、動物医療はその予測の困難さと不確かさ故に、我々と飼い主様の信頼関係をベースにして構築されるものであることは、多くの方の賛同を得られると思います。しかし、夜間診療は基本的にほぼすべてが初診(その病院を初めて受診すること)になりますので、病院と飼い主様の信頼関係を構築する時間がありません。そのため、どんな緊急状態であったとしても原則として診療費の後払いを前提とした診察はお受けできない点についても、ご理解いただけますと幸いです。カスハラ事案は非常に稀なことであり、動物病院はほとんどの飼い主様と良好な信頼関係を保った診療を行っています。今後も双方の立場を尊重し合った適切な動物医療が円滑に行われることを切に願います。

 当院では以下に示す悪質なカスハラ行為に対しては従業員を守ることを優先し、診察拒否や通報、退去命令を含めた断固たる措置を講じていくことをここに宣言いたします。

  • 院内で大きな声をあげ、威圧的な態度でスタッフを攻撃する
  • 執拗な電話連絡による業務の妨害
  • 暴言・暴力行為
  • 長時間の居座り
  • 度重なる連絡のない予約のキャンセル
  • 差別的な言動
  • 度を越した謝罪の要求